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タイムアウトロンドンが、バービカン・センターで2019年8月まで開催されている人工知能 (AI)をテーマにした展覧会に合わせ、ロンドンにおいて、人工知能が変化をもたらしている例を紹介。

名曲を生み出す力

音楽家なのに曲が書けない?大丈夫、人工知能が助けてくれるから心配無用だ。ロンドンのムーアゲートを拠点とする会社、ジュークデック(Jukedeck)は、人工知能を使って、音楽を生成するツールを開発している。基になっているのは、様々な曲の和音と音符などを分析したデータ。これにより、人工知能がいくつもの名曲を作り出すことができるようになった。これまで、スピカなどのKポップアイドルが、ジュークデックとコラボし、人工知能で作った曲を発表している。

大気汚染の改善

ロンドンの街が深刻な大気汚染問題を抱えているのは、もはや誰でも知っていることだ。実に、毎年9,000人のロンドン市民が、質の悪い大気が原因で亡くなっている。この状況を改善しようと動いているのが、アラン・ターニング・インスティチュート(Alan Turing Institute)だ。彼らは、ロンドンの街中に大気の状況をモニターするセンサーを設置し、アルゴリズムとデータを用いて大気汚染の状況を分析している。この情報が政策に活かされ、ロンドンの空気がクリーンになる日はそう遠くないかもしれない。

効率的な乗換ルート

シティーマッパー(Citymapper)がまだ無かった時代のことを覚えているだろうか?きっと、思い出せないだろう。それほど、今は(地下鉄を5回も乗り換えずに)目的地へ早く到着することが簡単になった。ロンドンで人気のこの乗換案内アプリにも、人工知能が用いられている。例えば、ユーザーの移動ルートデータの活用。乗換の検索結果にいくつかルートがある場合、人工知能がユーザーに人気のルートを判断して、いちばん上に表示する機能を提供している。ただ、人工知能は賢いが、常に完璧ではない。ユーザーのデータが加わることでより良いものになっている。つまり、使えば使うほど、目的地までの乗換案内がより良くなるということだ。

診察予定のリマインダー

病院の予定を忘れてしまうことが多い?ユニバーシティ・カレッジ病院(University College Hospital)なら、あなたのことを見張ってくれているから大丈夫だ。もちろん、バーチャルに、だ。この病院が着目したのは、これまでの2万件以上のおよぶMRI検査の予約データ。これを分析して、90パーセントの確率で、検査を忘れてしまうタイプの人を指摘するアルゴリズムを開発したのだ。このアルゴリズムは、今後、実際に病院運営に活用され、人工知能が「この患者は、検査を忘れそう」と判断した人には、電話をかける仕組みが導入される予定だ。ただし、電話の声はロボットではない。そこまでは、まだ進んでいないようだ。

不平等の把握

ロンドンのいくつもの通りを写した写真から何が分かるだろうか。実は、ここに、無数の情報が詰まっている。インペリアル・カレッジ・ロンドンは、グーグルのストリートビューの画像を活用し、社会的、および経済的な不平等を検出する仕組みを開発中だ。人工知能が解析したのは、ロンドンの約156,000件の郵便番号エリア。これらの場所を写した50万枚以上の写真に、収入、健康、犯罪、住居、生活環境に関する統計も加えた。開発テストでは、写真で収入と生活環境を識別することにおいて、最高の結果を出せたそうだ。百聞は一見にしかずとは、このことなのかも知れない。

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